
ORIENTAL MEDICINE
東洋医学は、数千年の歴史を持つ中国に発祥した伝統医学です。
西洋医学が病気の原因を特定し、それを直接取り除くことを目指すのに対し、東洋医学は身体全体のバランスを整え、人が本来持つ自然治癒力を引き出すことを治療の根本とします。
「病気を診る」のではなく「人を診る」。これが東洋医学の最も大切な考え方です。同じ症状であっても、その人の体質・生活環境・精神状態によって治療法はまったく異なります。ここでは、当院の治療を理解していただくために、東洋医学の基本的な考え方をわかりやすくご紹介します。
COMPARISON
どちらが優れているということではなく、それぞれに得意な領域があります。当院では、東洋医学の強みを最大限に活かした治療を行っています。
| 項目 | 西洋医学 | 東洋医学 |
|---|---|---|
| 診断 | 検査データ・画像 | 脈診・腹診・問診・望診 |
| 対象 | 病気(疾患名) | 人(身体全体のバランス) |
| 治療 | 薬・手術 | 鍼灸・氣功・漢方・養生 |
| 目的 | 症状の除去 | 自然治癒力の回復 |
| 強み | 救急・感染症・手術 | 慢性疾患・未病・体質改善 |
PATTERN DIAGNOSIS
東洋医学では、病名ではなく「証(しょう)」と呼ばれる身体の状態像に基づいて治療方針を決定します。
「証」とは、その人の体質・体力・症状・生活環境などを総合的に判断した、いわば「身体のカルテ」です。西洋医学の「診断名」とは異なり、同じ病名でも人によって証は異なります。
たとえば「頭痛」という症状一つをとっても、冷えから来る頭痛、ストレスによる緊張型の頭痛、胃腸の弱りから来る頭痛では、原因も治療法もまったく異なります。証を正確に立てることで、その人に最も適した治療を選択できるのです。
同じ「頭痛」でも、原因が異なれば治療が異なる。
これが「病気を診る」のではなく「人を診る」東洋医学の本質です。
手首の脈を三本の指で触れ、脈の速さ・強さ・深さ・リズムなどを読み取ります。臓腑の状態や氣血の過不足を把握する、東洋医学の最も重要な診察法です。
お腹の張り・硬さ・冷え・圧痛などを丁寧に触診します。お腹は五臓六腑の状態を映す鏡であり、身体の内部バランスを直接知ることができます。
現在の症状だけでなく、食事・睡眠・排泄・ストレス・生活習慣など、身体全体に関わる情報を丁寧にお聞きします。些細な変化が重要な手がかりになることがあります。
顔色・舌の状態・肌のツヤ・姿勢・動作などを目で観察します。特に舌診(ぜっしん)は、舌の色・形・苔(こけ)から、臓腑の寒熱や氣血の状態を読み取る重要な診察法です。
MERIDIANS & ACUPOINTS
東洋医学では、全身を巡る氣と血の通り道「経絡」と、その上にある反応点「ツボ(経穴)」を用いて治療を行います。
経絡とは、氣(生命エネルギー)と血が全身を巡るネットワークです。主要な経絡は12本あり(正経十二経脈)、これに加えて8本の奇経八脈が存在します。経絡は臓腑と体表をつなぎ、全身の氣血の循環を維持しています。この流れが滞ると、痛みや不調として身体に現れます。
ツボ(経穴)は、経絡上に存在する氣の出入り口であり、WHO(世界保健機関)が認定する正式なツボは全身に361穴あります。鍼や灸でツボを刺激することで、経絡の氣血の流れを調整し、関連する臓腑の機能を回復させます。
PREVENTIVE CARE
東洋医学が最も大切にする考え方の一つが「未病治(みびょうち)」です。
「検査では異常が見つからないけれど、どこか調子が悪い」――このような状態を、東洋医学では「未病(みびょう)」と呼びます。西洋医学では「異常なし」とされるこの段階こそ、東洋医学が最も力を発揮する領域です。
古代中国の医学書『黄帝内経(こうていだいけい)』には、「上工は未病を治す(優れた医師は病気になる前に治す)」と記されています。病気が顕在化する前に、身体のわずかな不調の兆しを捉え、バランスを整えること。これが東洋医学の理想とする医療です。
季節の変わり目に合わせた施術で、身体を次の季節に順応させます。春夏秋冬それぞれの養生法をお伝えします。
月1~2回の定期施術で、氣血の流れを整え、免疫力を高く保ちます。病気になりにくい身体づくりを支えます。
ご自宅でできるツボ押し、呼吸法、食養生など、日常生活に取り入れられる養生法をお伝えしています。